mont-bell はりつけ修理

今回、修理実績としてご紹介するのは、日本が世界に誇るアウトドアブランド、モンベル(mont-bell)の「u.l.サーマラップ ジャケット」です。モンベルといえば、アウトドア愛好家のみならずタウンユースとしても幅広い世代に愛されているブランドですが、その背景には「Function is Beauty(機能美)」という確固たる理念と、飽くなき技術革新の歴史があります。1975年、日本のトップアルピニストである辰野勇氏によって設立された同社は、1980年代から軽量かつ高保温力を持つ本格的なアルパインダウンパーカーなどを開発し、過酷な環境に挑む登山家たちを支えてきました。そして、アウトドア業界のみならず、私たちの日常着における歴史の大きな転換点となったのが1997年です。当時、ミドルレイヤー(中間着)といえばフリースが主流だった時代に、モンベルは世界で初めて「ダウンインナージャケット」を開発・発売しました。圧倒的に軽量でコンパクトに収納でき、かつ暖かいこの画期的なアイテムは、「インナーダウン」という新たな概念と文化を世界中に切り開いたのです。現在ではすっかり定番となった襟無しのラウンドネックタイプなども、この革新から生まれました。2000年代に入ると、モンベルの独自技術はさらに深化します。独自の厳しい基準をクリアした高品質ダウン「EXダウン」の採用や、耐久撥水加工、独自のキルティング技術を駆使し、さらなる軽量化とコンパクト化を実現しました。雪山や極寒地でも高い保温性を誇る「アルパインダウンパーカ」が不動の定番となる一方、2010年代以降には、世界最高峰の圧倒的な軽さと暖かさを両立させた「プラズマ1000ダウンジャケット」など、極限の軽量化を追求した最高品質モデルを次々と世に送り出しています。街着から雪山まで対応する幅広いラインナップと、一切の無駄を省いた機能美。だからこそ、モンベルのウェアは一度袖を通すと手放せなくなる「相棒」のような存在になります。しかし、軽量化を追求したしなやかな生地は、ちょっとした木の枝の引っ掛けや、焚き火の火の粉、日常の不注意などで、思いがけず穴が空いてしまうことがあります。今回ご相談いただいたお客様も、「機能性も高く愛着のあるモンベルのウェアに穴が空いてしまったけれど、買い換えるのではなく直して着続けたい」という強い思いで、私どもFIVE★STAR HIRAISHIYAにお預けくださいました。本記事では、当店が誇るプロのリペア技術を用いて穴修理を行う際に、「一体どこから共布(補修用生地)を取るのか」、そして「最終的にどのような美しい仕上がりになるのか」を詳しく解説していきます。お気に入りのダウンやジャケットの破れ・穴あきでお悩みの方、修理を検討中の方は、ぜひ最後までご覧ください。

クリーニング事例概要

STEP1

今回お預かりした「U.L.サーマラップ ジャケット」は、モンベルが誇る高機能な行動着(アクティブインサレーション)です。最大の特徴は、独自開発の中綿「ストレッチエクセロフト」にあります。抜群のストレッチ性と濡れに強い保温力を備え、汗をかいても蒸れにくいため、冬の中間着から春・秋のアウターまで一年を通して快適に着回せます。表地には、軽量でありながら耐久性と通気性に優れた「バリスティック エアライト」を採用。身体にフィットする細身のシルエットは中間着としてかさばらず、付属のスタッフバッグにコンパクトに収納できる携行性の高さも魅力です。2025年版など定期的なモデルチェンジも行われており、常に最新の高性能素材とデザインへと進化を続けています。さらに、ダウンジャケットに比べて日々のお手入れが容易な点も愛用者が多い理由です。洗濯ネットに入れればご自宅の洗濯機でガシガシ洗えるため、常に清潔な状態を保てます。しかし、日常のケアは簡単でも、生地が破れてしまった場合の自己補修は困難です。高機能な極薄生地の穴あき修理は、ぜひアウトドアウェアの修復に特化したプロフェッショナルにお任せください。FIVE★STAR HIRAISHIYAが、その確かな技術で大切な一着を蘇らせます。

STEP2

こちらが、今回お預かりしたモンベル「U.L.サーマラップ ジャケット」の修理前の状態です。画像の中央部分をご覧いただくと、表地の極薄ナイロン生地が不規則に裂け、中から白い素材が痛々しく露出してしまっているのがお分かりいただけるかと思います。この白い素材こそが、モンベル独自の高機能中綿「ストレッチエクセロフト」です。こちらのアイテムはダウン(羽毛)ではなく、この特殊な化繊の中綿が使われているのが特徴です。表地に採用されている「バリスティック エアライト」は、驚異的な軽さと柔らかさを誇る一方で、非常に繊細な生地でもあります。そのため、アウトドアでのちょっとした枝への引っ掛けや、日常の思いがけない摩擦などによって、このように生地が破けて中綿が顔を出してしまうトラブルが少なくありません。破れた箇所の周辺は細かな繊維が複雑にほつれており、市販のナイロン用補修テープやご家庭での手縫いで、元の美しい状態に戻すのは非常に困難です。また、このまま放置して着用を続ければ、裂け目は徐々に広がり、大切の中綿が抜け落ちて保温性が損なわれてしまいます。次項では、この繊細な中綿アイテムの難易度の高い破れに対し、FIVE★STAR HIRAISHIYAが「どこから共布(補修用生地)を取得し、どのように修復していくのか」という、プロならではの具体的な修理工程について詳しく解説してまいります。

STEP3

いよいよ、実際の修理工程と仕上がりについて解説してまいります。表面の穴塞ぎの仕上がりをご覧いただく前に、まずは「どこから補修用の生地(共布)を調達したのか」というリペアの裏側をご紹介します。こちらの写真は、補修用生地を切り取った「裾の内側部分」の処置後を撮影したものです。今回のジャケットは裏地の多くが表地と異なる素材で構成されていました。そのため、穴の空いた表地と全く同じ生地を確保すべく、外からは見えない裾の内側から必要な生地を慎重に切り取り、メインの穴部分へと移植しています。生地を切り取った裾の箇所には、元の素材とよく似た代替品の生地を、専用の接着剤を用いて丁寧に貼り付けて塞ぎました。裾の裏側という元々目立たない位置であり、入れ替えた範囲もわずか5cmほどであるため、裏返してぱっと見ただけでは違和感がないほど自然な仕上がりです。当然、着用時の外見からは全く分かりません。そして、この裾から取った「完全な共布」を用いて、前身頃の破れを修復しました。今回の表地には微細な模様が入っていましたが、移植の際はその模様の向きまで正確に合わせて貼り付け修理を行っています。同じ生地を使い、柄の目まで徹底的に同化させたことで、私たちプロであっても一目では修理跡が分からず、よく探してようやく確認できるほど美しく馴染んでいます。

STEP4

いよいよ、表面の破れ部分の仕上がり(修理後)の写真をご覧ください。先ほど裾の内側から採取した「完全な共布」を、破れた箇所へ丁寧に貼り付けて修復いたしました。写真をご覧いただくと、四角く生地を貼り合わせた輪郭線はお分かりいただけるかと思います。完全に元通り(無傷の状態)になるわけではございませんが、全く同じ生地を使用し、表面の微細な模様の向きまで精密に合わせて貼り付けているため、非常に自然な仕上がりとなっています。市販の補修テープを使用した応急処置とは異なり、プロの手による専用接着剤での共布補修は、中綿(ストレッチエクセロフト)の抜け落ちをしっかりと防ぎ、ウェアの寿命を大きく延ばします。これでまた、気兼ねなくガシガシご着用いただけます。「こんな破れでも直るのかな?」「修理跡はどれくらい目立つだろう?」と不安にお思いの方は、ぜひFIVE★STAR HIRAISHIYAの「無料カウンセリング」をご活用ください。お品物を発送いただく前に、ダメージ箇所の写真をお送りいただければ、専門のスタッフが最適な修理方法や仕上がりのイメージ、お見積もりを事前にお伝えいたします。お客様の大切な一着を、これからも長く愛用していただくために。高機能ウェアのリペアは、ぜひ私どもにお任せください。皆様からのご相談を心よりお待ちしております。