カナダグースではこれまでコヨーテのリアルファーが採用されてきました。コヨーテはイヌ科の動物で、オオカミをイメージする方も多いかと思いますが実は別物です。北アメリカ大陸に多く生息しており、黄色みがかった毛色が特徴的です。今回ご紹介するカナダグースダウンにもファーが取り付けられています。美しい毛並みとボリュームのあるファーはカナダグースダウンのトレードマークともいえる存在です。フードをぐるりと囲むように取り付けられているファーは、極寒の地に吹く冷たい風から顔を守る役割を果たしています。非常に冷たい風が吹くため、凍傷の危険がある地域では、フードやファーなどをうまく活用して風を遮る、もしくは風の流れを変えて身を守る必要があります。カナダグースはこれまでの南極基地での着用を目的としたダウンの開発や南極・北極の旅の踏破の経験をもとに様々な工夫をダウンにしてきました。毛皮は、古くからわれわれ人間が寒さから身を守るためのものとして活躍してきたものです。ファーは、高温多湿なこの日本ではなかなか取り扱いも難しいデリケートな素材です。こまめにメンテナンスすることで、よりきれいに長く使い続けることが出来ます。
CANADA GOOSEファー
今回ご紹介するのはカナダグースダウンのCanadaGoose Wyndham Parka(カナダグースウィンダムパーカ)のファークリーニングです。カナダグースのダウンの多くが、ボリュームのあるファーを使用したデザインとなっています。冬のコーディネートのマストアイテムともいえるファーはファッションに幅を持たせてくれますね。もともと毛皮を身にまとうという行為は旧石器時代に始まったと言われています。その頃の目的は寒さから身を守ること、でした。当時は、狩りによって得た動物の皮を鞣して身にまとっていました。おしゃれのためではなく生きるためのものだったわけですね。それが徐々に強さや権力の象徴を示すものとして扱われ始めるようになりました。これは14世紀以降のヨーロッパでも変わりませんでした。冨や権力の象徴として王族の者たちはこぞって毛皮が使用された衣類やマントを身に着けました。この様子は現在でも肖像画として残されています。その後もヨーロッパなどでは上流階級のものが身に着けるものとして浸透していきました。そうして徐々に身近な存在となった毛皮は現代ファッションにも大きく影響を与えました。日本でも今や当たり前となったファーの存在。しかし実は、ヨーロッパの影響を受けてさらっと取り入れられたものではなかったのです。ヨーロッパは比較的乾燥した地域で、日本のようにジメジメ、むしむししている訳ではありません。そのため毛皮製品の使用や販売に大きな影響はありませんでした。しかし、高温多湿で雨の多い日本では輸入した毛皮の取り扱いが非常に困難でした。湿気によって生地が傷んでしまったり虫やカビに悩まされたりと、ファッションアイテムとして販売する前に、素材としての管理やお手入れが大変だったのです。それはもちろん完成した商品を購入した購入者も同じです。もともと高額であるアイテムであることに加え、「取り扱いが難しい」という理由からなかなか市場に馴染まず、ファッション業界でも浸透していきませんでした。しかし「バブル期」をきっかけに日本でのファーへの認識が変わり始めます。毛並みの密度が高く柔らかいのが特徴であるミンクをはじめ、タヌキやキツネといったファーの存在が浸透していきました。本日はそんな「お手入れの難しい素材:ファー」のクリーニングの実績についてご紹介していきます。お手入れ方法にお悩みの方は是非ご覧ください。
クリーニング事例概要


本日はファークリーニングについて解説をしていきます。FIVESTAR HIRAISHIYAではダウンに関しては基本的にウェットクリーニングにてクリーニングをおこなっておりますが、ファーについては別途ドライクリーニングを採用しています。これはファーの特性を考慮した上での対応となります。ファーは毛皮のため水に濡らすことが出来ません。水に濡らしてしまうと毛が傷んだり、毛が生えている革の部分が傷んだりひび割れたりするリスクがあるためです。一度傷んでしまった毛皮はクリーニング等で修復することは困難となってしまいます。雨や雪などについても、少量の水分であるため急激に状態が悪化するということはありませんが、そのまま放置して毛皮に湿気が残ったままの状態が続くと、痛みや損傷、カビの原因となることがあります。こういった水によるトラブルを避けるため、ドライクリーニングを採用しています。また、毛皮は熱にも弱いため、乾燥機にかけることが出来ません。そのため、クリーニング後にファーを乾かすときは自然乾燥となります。ドライクリーニングに使用している溶剤は揮発性のため、自然乾燥で時間をかけてしっかり乾かしていきます。

乾燥の時間についてはファーのボリュームによって若干の差があります。おおよその期間として3日ほど乾燥させます。きちんと乾いたかを確認する場合、ウェットクリーニングをおこなう際にはダウンが湿っていないか、羽毛がダマになっていないか、などを目安に確認をしていきますが、ドライクリーニングの場合は乾燥が不十分であれば石油のにおいが残ります。一定時間が経過したファーについては、仕上げの前に石油のにおいが残っていないことを確認し、ブラッシング作業に移っていきます。ファーは、洗って乾燥させることでよごれや水分が取り除かれるためボリュームが出ますが、それに加えてファーの毛並みを整える必要があります。1つ1つスタッフが手作業でブラッシングをおこない、毛を起こし毛並みをそろえて仕上げていきます。このひと手間によって格段に見栄えが美しくなります。使っているうちにボリュームが減ってしまったり、毛並みに癖がついてしまうこともあるかと思います。そういったお悩みについても、ファークリーニングで対処することが可能です。カナダグースのファーは特にボリュームがあるので、クリーニング前後の違いも大きく感じられるかと思います。

お送りいただくファーの中には、既に劣化や痛みが生じ始めているものもございます。これらのお品物のクリーニングについては、検品やお見積り時に作業が可能であるかの判断をいたします。お預かりしたファーの状態によってはクリーニング作業が困難である場合もございます。主な事例としてはファーの毛が抜けてしまう場合や、革の部分がひび割れているもしくは剥がれが生じている場合です。少し触れただけで毛がついてきてしまったり革がポロポロと落ちてくるファーもございます。こういったお品物についてはクリーニング作業中にさらに状態が悪化する可能性もあるため、ご依頼をお受けいたしかねる場合がございます。お品物の状態について、ご注文前に確認されたいという場合には無料カウンセリングフォームをご利用ください。こちらのサービスはお写真の添付が可能となっております。担当スタッフの方で内容を確認しお電話あるいはメールにて回答させていただきます。カナダグースの場合、フードからファーが取り外せるタイプが多いです。弊社は高級ブランドダウンクリーニング専門店ですが、「ファークリーニングのみ」のご依頼も承っております。ぜひご利用くださいませ。