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【プロの技】カナダグースの白化修復

連日暑い日が続き、地域によっては真夏日が続いたところもありましたね。去年から今年にかけての冬も暖冬といわれ、例年と比べ雪が少なかったように感じます。

お住まいの地域によってはダウンの出番は数えるほどしかなかったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。そういったとき、クリーニングやメンテナンスはしなくても大丈夫だろう。と考えてしまいますが、ここが重要なポイントです。

ダウンのメンテナンスはクリーニングだけではありません。生地の劣化や色褪せ、ボリュームの減少などは適切な処置で復元することが出来るのです。そして、こういった手間のかかるメンテナンスはシーズンオフの今がおすすめです。

という事で本日は、FIVE STAR HIRAISHIYAで多くご依頼いただくカナダグースの「白化の修復」にフォーカスをあててお話しさせていただきます。カナダグースダウンの白化にお悩みの方のお役に立てれば幸いです。

1.カナダグースダウンに起こる「白化」

袖や肩まわりなどが白っぽくなってしまっているカナダグースダウンを見たことはありますか?これは実は特別な理由で起こっているわけではありません。

まずはこの白っぽくなる現象はいったい何なのか、どうして起こるのかについて解説していきます。

1-1 カナダグースの白化とは

カナダグースダウンを愛用されている方の中にはすでに白化を経験されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この白化というのは、摩擦により色が落ちてしまい徐々に白くなっていく現象のことです。主にこすれたりものに触れたりする機会の多い「袖口」「脇」「ポケット」などに多く発生するものです。黒やネイビーなどの濃い色の展開が多いカナダグースは白化が目立ちやすくなります。

1-2 なぜカナダグースは白化が起こるのか

この現象が起こる原因はカナダグースでの「ダウンの染色の工程」にあります。

生地の染色には以下の3つの方法があります。

1:綿染め 糸にする前段階で染色します。

2:糸染め 綿から糸になった状態で染色します。

3:後染め 生地が織りあがった状態で染色します。

そして後染め(生地が織りあがった状態で染色)の場合、さらに「顔料」での染色と「染料」での染色の2種類にわかれます。

・顔料:生地の上に色をのせることで染める方法

・染料:生地(繊維)に色を浸透させることで染める方法

カナダグースのダウンに使用されている表地はポリエステルと綿の混紡繊維なのですが、ポリエステルは非晶部分の隙間が非常に小さく、染料が入り込みにくい構造をしているという特徴があります。

こういった特徴も考慮してか、カナダグースダウンはもともと白色の繊維を織り上げ生地にしたものを、顔料を使用し後染めしています。

染料を使用しての染色と比べ、顔料は繊維への色の定着がしにくいものの為、摩擦が繰り返されると塗装が落ちてしまうのです。

1-3 白化が起こるとどうなるのか

こちらの画像は、実際に当社でお預かりしたカナダグースダウンの様子です。

1枚目の画像は袖口など狭い箇所に白化が生じたものになります。当社に届くダウンの多くはこのような状態です。

2枚目の画像は背面全体など、広範囲にわたって白化が生じたものになります。リュックを背負ったりショルダーバックを利用したりしている方は、生地と物が「面」で触れるためにこのような状態になります。

2.カナダグースの白化を防ぐ方法

カナダグースに起こるこの現象は100%防ぐという事は難しいです。というのも、日常生活で着用する中で必ず摩擦は発生してしまうからです。

しかし、ダウンに触れる小物(バッグなど)の使用を控えたり、収納の際スペースを空けて保管したりというような工夫をすることで、摩擦の発生を抑制することは出来ます。

カナダグースの公式ホームページでも、白化について以下のように注意書きがされています。

【濃色品はクリーニングや着用の繰り返しですれた部分が毛羽立ち、白化する場合があります。過度な摩擦や連続着用もお避けください。】

小さなことですが、こういった使用方法の積み重ねでもダウンの状態が大きく変わってくるので、普段使いの中で取り入れてみてはいかがでしょうか。

3.白化が起きてしまったら?

白化が起きてしまったカナダグースダウンはもう元の状態に戻せないかもしれないと不安に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?

では実際にカナダグースダウンに白化が起こってしまったらどうしたらよいのでしょう。

3-1 実績のあるクリーニング店・修理店に持ち込む

黒色などの濃い色のダウンは特に白化が目立ち、早くどうにかしたいという気持ちになってしまいます。

ですが処置の方法を間違ってしまうと状態が悪化したり、場合によっては生地が傷んでしまったりする可能性もあるため、ご家庭での処置はおすすめできません。

カナダグースはダウンの中でも非常に人気のあるブランドですが、効果でデリケートなため、一般的な街のクリーニング店や修理店では断られてしまう場合もあるかと思います。

白化の修復については、過去に同様のカナダグースダウンの修復実績のあるお店に依頼したほうがよいでしょう。

3-2 「白くない」なら安心なの?

生地が白くなっていないなら、まだ白化していないという事。と安心してしまいたくなりますが、注意が必要です。

この白化はクリーニングを行った後から「見える」ようになるケースもあります。

よく擦れる、という事はそれだけものに触れているという事。ものに触れる機会が多いという事は汚れが付着する機会も

多いという事です。そのため、袖口やポケットなどは特に皮脂や汚れなどによって黒ずんでいることがあります。これが白化した生地の上に付着していると、ダウンが白化していることになかなか気づくことが出来ません。

クリーニングをおこなう事で汚れが落ち、隠れていた白化が表面化する可能性があります。

このように、大丈夫と思っていても実は意外と白化が進んでいる、というケースは当社でも複数見受けられます。

受け付けさせていただいた段階ではこの判別は難しく、実際にクリーニングを行って初めて明らかになるもののため

白化の具合の把握はなかなか難しいのが現状です。ある程度の期間着用を続けているダウンであれば、染色などの追加メンテナンスも視野に入れつつクリーニングを行う必要があるかもしれません。

3-3 FIVE STAR HIRAISHIYAでの修復方法

当社ではカナダグースダウンの白化について、以下の2種類の修復方法をご用意しています。

①部分染め:白化が生じている箇所にのみ染色を施すものです。袖口やポケットだけなど狭い範囲での修復をご希望の方にオススメの修復方法となっています。こちらはもともとのダウンのお色味に合わせて調色を行うため、染色後も違和感のない仕上がりとなります。

カナダグースはブラック/ネイビー/グレー/レッド/グリーンが基本的なカラー展開となっています(一部デザインなどによってはここにないものも登場しています。)が、FIVESTAR HIRAISHIYAでの染色の際、染料は基本的に1着ずつ調色をおこなっています。そう聞くとカラー展開が決まっているのに効率が悪いなと感じられるかもしれませんが、これには理由があります。

同じネイビーのダウンでも、着用した年数などによって色あせなどが起こり、若干の色の違いがあるためです。

「新品と同じ色」や「過去のダウンA」に併せて調色をおこなったものを使ってしまうと、染色後の違和感につながってしまうのです。

※注文フォームでは【カナダグース専用オプション】として表記しています。

※お色味がホワイトのカナダグースダウンは部分染めのお取り扱いは行っておりません。

②全体染め:広範囲で白化が生じているダウンの場合にご提案させていただいております。先ほどご紹介したような背面や肩まわりなどの白化が気になる場合にオススメの修復方法です。こちらはダウン全体を染料に漬け込む形での染色となります。基本的にはもとのダウンのお色味より濃い色での染色となります。

例)ネイビー→ブラック カーキ→ブラウン ブラック→ブラック(※お色味によっては同色染めが可能です)

いずれの染色も通常クリーニングに付与する「有料オプション」となり、別途追加料金が発生いたします。

また、納期についてもクリーニングのみのご注文の場合と異なります。通常の納期からさらに1~2か月お時間をいただく場合がございます。繁忙期・閑散期で大幅に納期に差が出る可能性がございます。詳しくは当社ホームページをご確認くださいませ。

3-4 FIVE STAR HIRAISHIYAでの修復事例

ここからはFIVESTAR HIRAISHIYAで行ったカナダグースの修復事例についてご紹介いたします。

今回はカナダグースの部分染め、全体染めそれぞれの事例を複数ご紹介させていただきます。メンテナンスに悩んでいる方の参考になれば幸いです。

こちらはカナダグースダウン袖口の部分染めを行った様子です。もともとのダウンのお色味と同じになるよう調色をおこないます。白化が起こってしまった部分だけを染めてしまうと、かえって浮いて見えてしまう可能性があるため、周りとのバランスを見ながら馴染むように染めていきます。

▼こちらは全体染めを行ったワッペンの様子です。

いずれも、ブラックへの染色を行った場合のビフォーアフターです。一枚目はカナダグースダウンの背面上部についているワッペンです。わずかに黒っぽくなっているのがうかがえます。

二枚目はカナダグースお馴染みの上腕に取り付けられているワッペンになります。南極を模した白色の刺繍部分が黒く染まっていますね。周りのぐるりと囲まれた部分もグレーっぽく染まっているのがわかります。赤や青色の刺繍部分は染色前とあまり変わらないように見えます。このようにワッペン1つでも染まる部分と染まらない部分の差が出ます。

4.まとめ

本日は、カナダグースの白化についてご説明させていただきました。

着用状況などによって、白化が生じるタイミングや大きさは様々ですが、どのカナダグースダウンにも起こりうる現象です。

正しいメンテナンス方法を知っておくことでいざというときに慌てず対処が出来ます。ぜひ今回ご紹介させていただいた内容をご活用いただければと思います。

この記事を通してお伝えしたいことは以下の4つです。

・カナダグースダウンの白化の原因は「摩擦」

・クリーニングすることで見えなかった白化が表面化することがある

・FIVE STAR HIRAISHIYAなら染色で修復が可能

・時間のかかるメンテナンスはシーズンオフの今がおすすめ

FIVE STAR HIRAISHIYAでは、カナダグースをはじめとする高級ブランドダウンのクリーニング取り扱い実績が50万着以上あります。それぞれの素材や汚れの特性を踏まえながら最適な方法でクリーニング・染み抜きを行っております。

注文方法や現在のダウンについてご不安な部分、クリーニングの内容について確認したいことがある場合は無料カウンセリングや電話注文も承っておりますので、下記リンクよりお気軽にお問い合わせくださいませ。

SNSやホームページにてクリーニング中の様子やクリーニングと併せてオススメしているオプションの紹介などもおこなっておりますので、ぜひ参考にご覧ください。

また、多くのお客様にネット注文をご利用いただいております。ご自宅でスマホやパソコンから必要な情報をご入力いただきますと、注文完了となります。集荷日時をご指定いただければ、ヤマト運輸さんが、梱包用の段ボールを持参してお客様のご自宅まで引き取りに伺います。当社到着後、作業中の進捗状況等はメールにて都度ご案内させていただいております。また、仕上がり後のダウンもヤマト運輸さんより配送されます。ご自宅で注文から受け取りまでの一連の作業が完結できるシステムとなっております。

注文後の流れについて、わかりやすく説明させていただいた動画がこちらになります。是非合わせてご覧ください。

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